山梨県がまん延防止等重点措置に適用されたことを受けて、日本共産党山梨県委員会と小越智子県議は19日、長崎幸太郎知事に臨時医療施設を早急に設置することなどを求める要望書を提出しました。
要望書の全文は以下の通りです。
山梨県知事 長崎幸太郎殿 2021年8月19日
臨時医療施設の早急の設置を
――まん延防止等重点措置適用を受けて
新型コロナウイルス対策要望-
日本共産党山梨県委員会委員長 花田 仁
県議会議員 小越智子
8月4日に日本共産党は「知事は危機感をもってコロナ対策の発信を」の緊急要望を行いました。その後知事は、移動自粛要請や休業要請を発表し、今回、国からのまん延防止等重点措置の適用をうけ、昨日の知事記者会見は「最悪の展開を念頭に最善の準備を進める」と危機感をもった会見でした。
病床使用率は7割に迫り、連日90人を超す感染者となれば23日には入院できるベットがなくなるという県のシミュレーションは県民に大きな衝撃を与えています。コロナ感染患者をうけいれている医療機関はすでにベッドが満床、他の医療機関でも発熱外来や一般診療などギリギリの体制です。医療崩壊は必至ともいうべき危機的状況です。
感染者は必ず、まずは医師の診療を受けられるよう、感染病床の確保を引き続き行うとともに、4日にわが党が要請したようにホテル療養、自宅療養者への対応なども早急に具体化を要請します。また検査体制の確立や臨時医療施設の整備については言及されておらず、早急な検討、実施を要請します。
ワクチン接種を推進するとともに、ワクチン接種を完了した感染者が発生しており、ワクチン接種が進んでも検査は必要です。山梨県では自費で検査できる施設も少なく、検査件数が感染者に対して少ないままです。いつでも無料で検査ができ、早期発見、早期治療保護が感染拡大防止のかなめのためにどうしても必要です。
グリーンゾーン認証施設も含めて酒類の提供停止は全国方針に沿った対応であり、評価します。まん延防止の適用で飲食店だけでなく、納入業者関連事業所へは月次支援金の対象にもなります。しかしこれだけでは補償は不十分です。経済補償がなければ安心して休業できません。休業要請と補償はセットです。
今回の記者会見はこれまでにない危機感を感じました。知事先頭に専門家の意見など、随時、広く丁寧に発信していただくことも要請します。
県内の感染状況は拡大が続き、今後さらに深刻化することが十分予想されます。あらゆる事態を想定し、県民の命、安全安心を最優先に、医療提供体制の確保、事業所への経済補償など以下要望します。
医療提供体制の確保
○感染者は必ず、医療を受けられるように、病床確保を進めてください。
○中等症に有効とされるネイブルハイフローの病床も確保してください。
○福井県のような臨時医療施設を至急整備してください。このまま感染者が急増しベッドが満床となると、治療が受けられなくなります。軽症者でも容態急変が懸念されます。ホテルよりも治療が受けやすい体育館などの広いスペースに段ボールベットの確保などで応急の専門病床を確保し、軽症者に有効とされる抗体カクテル療法や容態急変にはすぐ対応できる薬剤、医療器材、医師、看護師の体制を確保してください。
○ホテル療養で医療が受けられる体制の拡充を急ぎ、容態急変に備えて万全の医療体制を整えてください。
○酸素吸入器、パルスオキシメーターの設備を整えてください。
○感染者が爆発的に増えた場合自宅療養者の発生も懸念されます。家庭内感染、また濃厚接触者となり、家族全員が外出できないケースも想定されます。往診、訪問看護の体制、在宅療養者への生活支援、食糧支援体制の整備も急いでください。
○後方支援病院は救急医療病院が多く、一般診療、救急医療への支障も心配されます。コロナ診療の拡充と、後方支援機能、一般診療、救急体制の連携を確実に実施できるよう支援してください。
○自宅療養者の健康観察や生活支援などは保健所の負担を軽減する立場からも市町村との連携を深めてください。
○市町村に情報が届いておらず、危機感の共有が難しくなっています。市町村の担当と情報を共有し、医療体制や生活支援状況を県と連携して進めてください。
検査体制の大幅強化
○症状がなければ、検査を受けられないのが現在の山梨県です。これでは早期発見につながりません。無料でどこでも誰でも検査がうけられるよう広島県のように無料の検査センターの設置、薬局などでの簡易検査キッドの配布等を実施してください。
○ワクチン接種完了者も感染の可能性があり、感染した場合、他に感染拡大させる可能性が指摘されています。ワクチン接種完了の、医療機関、高齢者施設、保育園などの職員への定期的なPCR検査を継続してください。
○新学期がはじまり、学校での集団感染、家庭への感染拡大も懸念されます。大学生、高校生はじめ、生徒への簡易検査を定期的に実施してください。
経済補償
○感染拡大防止に人流抑制することが求められています。飲食店や事業所への営業自粛を要請するとともに経済補償が必要で、十分な経済補償をすることで安心して営業を自粛できます。営業持続できる補償を滞りなく支給してください。
○休業・時短要請に伴う「協力金」の支給をただちに実施してください。1月の協力金の支払いのように申請から時間が相当かかることがないよう、ただちに支給してください。
○納入業者や関連事業所も対象になる月次支援金制度の周知と申請援助を行ってください。また静岡県のように対象者を広げたり、県独自の上乗せ支援金を実施してください。
○グリーンゾーンの認証の有無にかかわらず、協力金の支給をしてください。
○持続化給付金の再交付を国に要請してください。
情報発信
○災害級の危機感をもって、県民に随時状況を発信してください。専門家から医療体制状況や地域ごとの状況を随時発信してください。
○感染状況を随時、適切に発信してください。県庁のホームページ等に医療危機メーターが掲示されていますが、陽性率や検査数、市町村ごとの感染者数など、一週間ごとの集計ではなく、毎日掲示し、情報発信してください。
○パラリンピックの中止を国に要請してください。
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