「お金が心配」受診遅れ 山梨民医連が事例発表
山梨民医連は、経済的理由で治療が遅れ死亡した事例が2017年に県内で1件あったと17日、山梨県庁で記者会見しました。
死亡したのは60代の無職の男性で国民年金月額5万円の収入で国民健康保険料の滞納が続き短期保険証に。昨年11月、せきや呼吸困難で民医連診療所を受診。検査でがん転移がみられ入院を勧められるものの本人は「お金が払えない」と強く拒否。複数の臓器にがん転移も見られ1週間後に亡くなりました。
山梨民医連は2006年から調査を行い12年間に32の死亡事例を報告しています。遠藤隆事務局長は「経済的に苦しいなかでも公費負担医療や医療費減免制度の相談などの検討と生活困窮者のための無料低額診療事業を知っていたらもっと早く受診でき、手遅れ状態の患者さんを救えたのではないか」と強調。国保税の引き下げや医療費減免制度の改善、無料低額診療事業の活用促進などを提言しました。
山梨民医連は、経済的困難だけでなく、過酷な労働や家庭環境などによる口腔崩壊の例をまとめた全国民医連の「歯科酷書」(第3弾)に山梨の事例を集めたことも発表しました。
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