山梨県知事 後藤 斎 殿
2018年1月9日
日本共産党山梨県委員会
委 員 長 花田 仁
県議会議員 小越智子
2018年度山梨県予算への要望について
県民福祉の向上へのご尽力に敬意を表します。2018年度政府予算案は、「賃上げ」や「IoT投資」を口実にした企業減税、医療・介護などの社会保障予算の「自然増」分は今回も1300億円削減され、安倍政権の6年間で小泉内閣時代を上回る1・6兆円もの大幅削減となるなど、大企業優先、暮らしに冷たい予算案となっています。
こうした姿勢を安倍政権がとっているときだからこそ、県民の福祉とくらしを最優先にする予算編成が求められています。大型の公共事業計画は見直し、標準財政規模に対する比率では全国3位となっている財政調整基金を取り崩すなどして財源をつくり、県民のくらしと福祉を最優先にする予算編成にぜひとも生かしていただきたく、とくに重点配分をお願いしたい事項を以下にまとめました。よろしくおねがいします。
1、福祉の充実について
(1)重度障害者医療費助成窓口無料を復活してください。
(2)国民健康保険の市町村ごとの一人当たりの納付金・保険料(税)の試算結果を公表してください。
国保税滞納者への対応、保険証の発行、徴収の対応も一律化せず、国保税の引き下げのために国の負担金の活用とともに県としても財政支援をしてください。
一般会計からの繰り入れは、国も妨げるものではないと述べており、県も一般会計からの繰り入れについて妨げないことを明確にしてください。
(3)介護保険改悪、医療ビジョン構想によるベッド削減で、必要な介護が受けられない人が生まれないように県独自の対策を講じてください。
在宅の場合は、障害者サービスと介護保険の併用も可能であり、65歳をもって障害者サービスから排除することがないよう、市町村への徹底を求めます。あわせて、介護保険優先の原則を廃止するよう国に求めてください。
(4)介護保険料・利用料の軽減制度をつくってください。
(5) 路線バスや集落を結ぶコミュニティバスの運行への助成を拡大するなど、「買い物弱者」「交通弱者」への対策を強化してください。
2、こどもの貧困対策について
6人に1人のこどもが貧困にあるといわれています。すべてのこどもたちが経済的負担なく、学び、育つ環境を整備することを求めます。
(1)返還しなくてよい奨学金制度の制定、通学費補助など、高校生への具体的な経済支援を強めてください。
隣県に比べて高い県立大学の入学金を引き下げてください。
(2)県の制度としてこどもの医療費助成を中学3年生まで無料にしてください。
(3)小中学校の給食費への助成をしてください。
(4)すべての自治体が入学準備金を入学前の3月支給に改善するとともに、就学援助金を増額するため、県が市町村に財政支援してください。
(5)第1子から保育料を軽減してください。また「育児休業明けの入所ができず、やむを得ず育児休業を延長している」「職場や自宅から離れた保育園しか空いていない」という多くの子育て世代の声にこたえる対策をすすめてください。
3、産業振興策について
企業の99%以上をしめる中小企業と農林業が山梨県の経済を支えています。これらの産業の振興を抜本的に強めてください。
(1)小規模事業所の仕事と雇用を増やす、住宅リフォーム助成制度を、県の制度として実施してください。
耐震改修を促進するためにも費用補助は、定率補助ではなく高知県で実施されているように限度額内の全額補助にしてください。また愛知県、高知県で実施されているように耐震工事の低コスト工法の普及をすすめてください。
(2)中小企業が正規雇用者を増やした場合の補助金額を増額してください。
(3)農産物の価格保障・所得補償を強めてください。安心して再生産にとりくめるように、共済制度の掛け金補助の拡大、ブドウ・モモ・スモモの価格保障制度をつくってください。
(4)公共建築をはじめ、一般住宅への県産材の利用促進を大幅に拡大する支援策を強めてください。
(5)有害鳥獣対策を抜本的に強化し、被害農家への支援を強めてください。
4、安心して働ける対策について
長時間労働や低賃金での働かせ方をただして、格差と貧困を是正する対策を強めてください。
(1)5年間で3000人の雇用の場を確保するという目標の実現のための対策は、正規雇用を基本とし、実効あるものにしてください。
(2)ブラックアルバイト、ブラック企業、パワハラ、セクハラ、マタハラを根絶する対策をとってください。
(3)県として介護労働者の賃金引き上げのために給与補助を行ってください。
(4)県の公共事業や業務委託について、下請けも含めて従事する労働者の最低賃金等を定め、これを守らせる公契約条例をつくってください。
(5)県職員、教員を正規雇用として増員してください。県関係の出資法人で非正規労働者が五年を前に、法の趣旨に反する雇いどめをされそうな事例がありました。県関係の出資法人や指定管理施設で二度とこのようなことがないような対策をとってください。
5、公共事業について
大型公共事業はやめて、地元建設会社の仕事を増やす、住民生活の安心安全のための公共事業をすすめてください。
(1)リニア駅周辺整備をはじめ巨額の事業費を誘発させることはやめてください。
甲府市、富士川町を初め、住民要望が出されている区間などリニア沿線の住宅地は、全て70デシベル以下の地域に規定してください。
(2)総合球技場は建設費用、管理運営費用を県民に示してください。建設ありきの安易なとりくみはやめてください。
(3)道路の区画線、横断歩道などの無未修繕をただちに解決してください。
(4)上下水道の耐震化、老朽化対策をいそいでください。河川堤防、がけ崩れや土石流などの危険箇所対策をすすめてください。
(5)事業用太陽光パネルの設置に、防災面、景観面からの規制と住民合意を義務づけてください。
改正FIT法で義務付けられた事業者名や事業内容等を記載した標識の掲示が、されていない発電設備が多数あります。掲示するよう指導を強化してください。
(6)住民からの要望が強い河川の浚渫、立木の伐採、護岸補修計画をさらに急いですすめてください。
6、北富士演習場へのオスプレイの離着陸訓練、北富士演習場の使用協定を結ばないことについて
(1)墜落事故が多発しているオスプレイの北富士演習場での訓練の中止を米軍に強く求めてください。
(2)オスプレイの配備は、「日本の防衛」とは何の関係もなく、海兵隊の海外遠征による「殴りこみ」の任務を遂行するため、迅速に「敵地」に侵入して戦闘作戦を実施する「侵略力」を高めることがその目的です。
沖縄に駐留する米海兵隊による沖縄県道104号線越え実弾砲撃移転訓練がほぼ毎年のように行なわれていますが、ここで訓練した米海兵隊は、イラクやアフガニスタンでの戦闘行為に直接参加してきた部隊であり、「日本の防衛」とはまったく無関係な部隊です。
ところが、防衛省や県は、これを「使用協定の範囲内」として容認し続けてきました。その結果、北富士演習場はアメリカの世界戦略にもとづく出撃・訓練の場となっています。
そもそも北富士演習場の全面返還、平和利用は県民の共通の願いであり、県是です。使用協定の更新はこの県是にも逆行するものです。今年3月に期限切れとなる北富演習場使用協定を更新しないでください。
以 上
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