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2014年7月 5日 (土)

リニア新幹線の建設を認可しないことを求める要請書

国土交通大臣 太田 昭宏 殿

     2014年 7月 2日      日本共産党山梨県委員会
                          委員長 花田 仁

     リニア新幹線の建設を認可しないことを求める要請書

一、6月5日、環境大臣はリニア「中央新幹線に係る環境影響調査に対する環境大臣意見」を国土交通省に提出した。 環境大臣意見では、「本事業は、その事業規模の大きさからも、本事業の工事及び供用時に生じる環境影響を、最大限、回避、低減するとしても、なお、相当な環境負荷が生じることは否めない」「本事業の実施に伴う環境影響は枚挙にいとまがない」と厳しい言葉がならんでいる。
 リニア実験線のある山梨県では、騒音、トンネル湧水、水枯れなどの環境破壊がすでに生じている。
 都留市川茂地区の住民から、リニア走行の騒音・振動について「車両が通る前から空気が振動して障子が揺れる」「地震のようで浮き上がる感じだ」「住民からの苦情で、JR東海が防音フード部分を設置し、防音壁も高くしたが、不安は消えない。営業開始となって、朝から夜まで走られたら住んでいられないだろう」と怒りの声が寄せられている。
 実験線が通っている笛吹市は環境影響評価準備書に出した意見で、
「トンネル掘削で、地下水や流水が枯渇・減水、水位低下が広範囲に発生した」「人間への直接的な影響のない部分には手が及んでおらず、自然環境や植物、動物の生態系に影響を及ぼしている可能性もある」と指摘し、「事業者(JR東海)の見解の中では、地下水への影響や水位の低下等は小さいとの見解を公表しているが、実験線の工事で発生している状況からは理解できない見解となっており、そのような理解で工事を進めることは問題」と批判している。
 営業線建設、運行となったら、県民の生活環境やユネスコエコパークに登録される南アルプスの生態系などの貴重な自然環境を破壊することになることは確実である。
 
 
二、JR東海が国土交通省に出した環境影響評価、沿線各都県の意見書がすべてJR東海に出された1ヶ月後にまとめられた。通常数ヶ月かかる評価書をわずか1ヶ月でまとめたことはきわめて異例であり、「まともな検討が行われたかどうかはなはだ疑問である」「意見を反映する気があるか」との批判が絶えない。
 山梨県で準備書を審査した県環境影響評価等技術審議会の片谷教孝会長は、
「大量に発生する建設残土は行き先や運び出す手順がはっきり示されず、進歩がない」「駅の景観予測は対象外としたが、本来はやるべきだった」「周囲に幹線道路があるなど複合的な影響が想定される場所で、騒音の追加を求めていた。対応すべきだった」などを指摘、
「事業者には住民のための環境アセス、という観点が足りない」「拙速なアセスの典型例だ」と批判している。
 このような杜撰な環境影響調査を提出するJR東海の態度は、「着工時期先にありき」で極めて不誠実としかいいようがない。環境大臣意見のいう「事業実施にあたっては、地元自治体の意見を十分勘案し、環境影響調査において重要である住民への説明は意見の聴取等の関与の機会の確保についても十全を期す」ものとは、とてもいえない。


三、JR東海は、リニア実験線でおきている問題・批判について、まともな対応をしていない。先の環境影響評価準備書に対する笛吹市の意見では、
「実験線において生じた諸問題の解決には誠意をもって当たって頂きたい。例えば、構造物外側の緩衝帯の側道整備については、4m.の用地を提供する旨の説明を受けたものの、まったくその内容が履行されていない。こうした積み残した課題については、すべてが解決するまで、誠意をもって対応されるようにお願いする」と述べられている。
 現に指摘されている問題で誠意をもって対応してこなかったJR東海に、
「事業実施区域の社会環境、生活環境又は自然環境の変化があり、予測し得なかった変化が見込まれる場合は、その変化の状況を踏まえ、工事中及び供用後における評価項目を再検討した上で、改めて環境影響について、調査、予測及び評価を行い、適切な環境保全措置を講じること」(環境大臣意見)を期待するのは困難である。


四、リニア中央新幹線は、JR東海自身が「絶対にペイしない。東海道新幹線の収入でリニア中央新幹線建設費を賄って、なんとかやっていける」(2013年9月18日山田佳臣社長)と公言したように、採算がとれない事業である。
 JR東海は、公共交通機関であり、「新事業に失敗したから倒産」とすることはできない。公的資金投入やJR東海の路線全体の保守・点検、改修の手抜きなどにしわ寄せされる危険がある。


五、環境大臣意見をふまえ国土交通大臣が7月22日までにJR東海に意見を伝える段階となり、リニア計画は手続き上最終段階を迎え、今秋にも着工するといわれている。
 しかし9兆円を超える巨大プロジェクトが、国民的な議論と検証が行われないまま進められている事は極めて異常である。
 生活環境を破壊し、国土を荒廃させ、国民・利用者に莫大な財政負担、サービスダウンを押しつけかねないリニア計画は中止し、検討しなおすべきである。以上の理由により、以下のことを求める。
 
 
                   記

  一、リニア中央新幹線の建設を認可しないこと。
  
                              以 上

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