山梨・北富士演習場 米海兵隊移転訓練 富士撃つな 監視続ける
自衛隊北富士演習場(山梨県富士吉田市、山中湖村、忍野村)を使用した在沖米海兵隊の「県道104号越え実弾砲撃移転訓練」は、砲撃訓練を8日間行い1月31日に終了しました。今回の演習の特徴や問題点、共同して取り組んだ監視活動について、山梨県平和委員会の桜井真作常任理事に聞きました。(山梨県・志村清)
「世界遺産・富士を撃つな」と、県内の18団体が参加する「北富士共闘会議」は、演習初日の1月18日には訓練反対の現地集会を開き、演習中は毎日早朝7時から夜9時まで、各団体が当番を引き継ぎながら延べ65人が参加して監視活動を続けました。
夜間にも訓練
着弾が確認された155ミリ榴弾1458発は、北富士での訓練12回のうち2番目に多い弾数で、沖縄ではできなかった夜間訓練も3日間(155発)強行されました。
平和の象徴、県民と日本人の誇りである富士への砲撃に怒りを禁じ得ません。観光で富士五湖を訪れた人たちも、ズドーンという発射音に驚き、「世界遺産でこんなことをやっていいのか」と話していました。
今回の訓練で使用された新型榴弾砲M777A2は、軽量化でオスプレイでの吊り下げ移動が可能となり、射程距離も40キロメートルと10キロメートルも伸びました。こうした新機種に早く慣れさせるために多くの砲撃がされたと思われます。また、北富士では初めて厳冬期に実施されました。高地のアフガニスタンでの戦闘を想定したものでしょう。
世界遺産汚す
道路凍結を理由に、部隊が通常の地下戦車道を使用せず、一般道(国道)を使って演習場に入ったのも初めてです。その道路は、富士山の世界文化遺産登録の際に景観や環境などの保全をユネスコに報告することが義務付けられた「緩衝地帯」の一部です。世界遺産など踏みにじっても恥じないかのような行動は断じて許されません。
日本の防衛に何の任務も持たない米海兵隊は米国本土で訓練すべきです。また、演習場の半分以上は県有地であり、地主ではる山梨の知事がノーと言えば演習はできません。
これからも「富士を平和の山に」の声を県内隅々に広げ、北富士演習場の全面返還・平和利用実現へ、全力をつくす決意です。
県道104号越え実弾砲撃移転訓練 1995年にい起きた沖縄少女暴行事件をきっかけに「沖縄の痛みを分かち合う」として、97年から本土5カ所の演習場に分散移転された米海兵隊の砲撃訓練。費用はすべて日本政府が負担しています。
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