県土整備部長
酒谷 幸彦 殿
2013年2月8日
日本共産党山梨県委員会
同 山梨県地方議員団
天井板撤去をはじめとしたトンネルの安全対策についての申し入れ
中央自動車道笹子トンネルの天井板崩落事故をうけ、全国的にトンネルの安全性が問題になり、いっせいに点検や補修が行われた。
山梨でも、県管理の愛宕と新御坂の2本のトンネルが中央道笹子トンネルと同様の吊り下げ式の天井板構造による換気方式だったたことから、広く県民に不安が広がった。
県は笹子トンネルの事故をうけ、緊急点検と補修作業を行ったものの、さらに国土交通省の点検指示をうけ再点検を行った結果、2本のトンネルで170本のボルトが抜け落ちたり、緩んでいたことが判明。しかも、愛宕トンネルは22年間もの間、目視にとどめ、打音検査を行っていないことも明らかになった。その他の県管理のトンネル128本についてもジェットファンや情報板などの重量構造物の点検・補修が行われた。
ところが先月下旬には、愛宕トンネルでモルタル片の落下があり、トンネル利用者から新たな不安の声が上がっている。さらに東海・東南海・南海連動型の地震や県内の直下型などによる震度7の地震発生が危惧されるなかで、トンネル天井板撤去をはじめ、トンネルの安全対策は急を要している。
こうした事態のもとで、私たち日本共産党の地方議員をはじめ関係者が愛宕・新御坂両トンネルを視察し、当局からのこの間の点検・補修などの対応についても報告をうけた。また、トンネル周辺の住民をはじめ、利用者の要望・意見から、今後の対応についての問題点や改善すべき点も明らかになりつつある。
さらに、笹子トンネルでの天井板撤去、首都高速道路会社による羽田トンネル天井板撤去、西日本高速道会社で3本のトンネルや東日本高速道路会社が8本のトンネルの天井板を年内に撤去することを決めているなど、全国の高速道路で撤去の動きが強まっている。国土交通省もマスコミの取材に「利用者の安全確保に向けてリスクはできるだけ減らすべきだ」として吊り下げ式天井板を原則撤去するとの立場を幹部が表明している。
以上の諸点から、トンネルの安全確保についてつぎのとおり申し入れるものです。
記
1、愛宕・新御坂両トンネルの天井板はすみやかに撤去すること。
2、愛宕・新御坂トンネルの代替の換気対策はジェットファンなど新たな方式とし万全の安全対策も行うこと
ジェットファン方式など天井板構造による換気方式に替わる対策を講ずること。愛宕トンネルは天井板を撤去した後も現行の集塵機器を活用するなど排ガス対策をおこなうこと。
ジェットファンなどの重量構造物の設置に当たっては、万が一にも落下しないよう二重三重の安全対策をおこなうこと。
3、トンネル本体工などの安全対策と管理を実行すること
覆工や坑門、内装板、情報板、照明、ジェットファンなどの一部でも剥落・落下すれば人命にかかわることになりかねない。定期・日常点検による安全をしっかり確保するとともに、落下防止の対策に万全を期すこと。
消火設備が正常に稼動するよう凍結防止などの対策を講じるとともに緊急地震速報など防災情報が聞こえるようラジオ受信可能トンネルを増設すること。
4、市町村管理のトンネルについても安全対策を支援すること
国土交通省の調査によって、全国の市町村が管理するトンネル点検マニュアルがないことが判明し、財源や人材不足によって、まともな点検がほとんどやられていないとみられている。県内も例外ではない。国土交通省とも連携し、市町村管理のトンネルについても点検・補修がされるよう、財政的・技術的支援を行うこと。
以 上
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