県議海外研修は旅行同然
「山梨県議会議員の海外研修は海外旅行同然だ」として、その費用の返還を求めた住民訴訟の判決が甲府地裁で3月19日に出されます。提訴から約2年。判決を前に、原告団(7人・山本大志代表)の深沢公子事務局長に聞きました。(山梨県・志村清)
昨年11月には、3人の現職県議(いずれも自民党会派)の証人尋問が実現しました。県議が法廷に呼ばれること自体が画期的なことですが、尋問では、税金を使ってまで行われた海外研修の実態がいかに研修・調査とは程遠いものだったのかが浮き彫りになりました。その一部(要旨)を紹介します。
原告側「(米国)メトロポリタン美術館(の視察)は『山梨県立美術館の今後の方向性等に参考になった』と(報告には)あるが、具体的には、どう生かされたか?」
A県議「検討はこれからです」
原告側「(視察から)3年がたつが…」
A県議「はい、(検討は)これからです」
原告側「ホワイトハウス訪問は?」
A県議「建物を外から見ただけだが、政治に関わる者として見識を深められた」
原告側「政治家の見識とは何か?」
A県議「言葉では言い表せないが、一般の方とは見る目が違うと思う」
原告側「(韓国の)青瓦台は『山梨の果樹等の浸透状況視察』とされているが?」
B県議「日本人がどのくらい来ているか、目で確認した」
原告側「その程度ですか?」
B県議「はい」
原告側「エジプトのピラミッド(視察)は『世界遺産登録までの経過について』を目的にしたとあるが、(現地で)どういう質問を?」
C県議「聞きませんでした」
原告側「トルコ(視察)では報告書に『観光地散策をした』とあるが、一般の観光旅行者とどう違うのか?」
C県議「見る視点が違うと思う」
このように、視察が県政に生かされたとはとうてい思えず、議会に提出した報告書も山梨にいてもインターネット等で調べられる内容です。ひどいことに、行ったかどうか覚えてもいない訪問先もあることも明らかになりました。
私たちは県議のみなさんが海外を直接見るとか、見識を広げることを非難しているわけではありません。議員報酬をきちんともらっているわけだから、それを使って県民と同じように私費で行けばいいと主張しているのです。
現行では、任期中に県議1人90万円まで県費を使えることになっていますが、議会内で制度廃止を訴えてきた日本共産党の小越智子県議によれば、この制度で海外に行った議員は提訴以降出ていないとのことです。問題を公にして世論に訴えた意義は大きかったと思います。裁判の勝利を確信しています。
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